どのような場合に税理士に相続税の相談をすべきか
1 相続税について税理士に相談すべきケース
税理士に相談すべきケースは様々ですが、ここでは相続税について相談する場合でご説明いたします。
相続税について税理士に相談すべきケースとして、①遺産分割方法が決まらない場合、②遺産に不動産が存在する場合、③相続税がかかるか否かわからない場合、④遺産総額が大きい(1億円を超える)場合、⑤自社株式が存在する場合、⑥上場株式を売却して現金化する予定がある場合、⑦相続税の申告期限が近い場合等が挙げられます。
今回は①と②について説明していきますが、上記のそれ以外の事情がある場合にも、税理士に相談をする必要があります。
2 遺産分割が決まらない場合
遺産分割が決まらない場合には、税理士に相談する必要があります。
なぜなら、遺産分割が決まって初めて使用ができる特例(配偶者控除、小規模宅地の特例等)については、「3年以内の分割見込書」を提出しないままで申告期限(相続が発生してから10か月)が経過してしまうと、将来遺産分割協議が成立した後も特例が適用できず、多額の納税が発生してしまうことになってしまうからです。
遺産分割協議が難航する可能性がある場合には、相続税申告期限が近づく前に、余裕をもって税理士に相談をする必要があります。
3 不動産が存在する場合
不動産が存在する場合には、相続税申告における不動産評価は非常に難しいため、税理士に相談をすることがオススメです。
不動産をどんなに高めに評価をしても、遺産総額が基礎控除以下となることが確実でない限り、専門家に相談された方がよいかと思います。
税理士は各種専門ソフトを用いて、各土地の形や間口、奥行き等を計算したうえで、適切に評価を行うことができますが、一般の方が専門ソフトを使わずに適切な評価をすることは極めて困難だからです。
路線価×平方メートルで算定したうえで、角地や複数路線の場合の加算を適用させることで、不動産を高めに評価をすれば、税理士を依頼しなくとも申告自体は可能かと思いますが、土地の適切な評価や特例適用の処理をするだけで、税理士に依頼をする経済的メリットは十分にある案件が多いため、不動産が存在する場合には税理士に相談をすることがおすすめです。