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夫婦間の贈与

  • 文責:税理士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2023年7月20日

1 どのような場合に贈与税がかかるのか

贈与税は、贈与をした人にはかかりません。

贈与税は、贈与を受けた人に課される税金です。

贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、年間110万円を超える額の贈与がなされた場合には、贈与税が課税されることとなります。

2 夫婦間でも贈与税がかかる場合がある

夫婦で一緒に生活をしていると、生活費を渡したり、自動車を買ったりする場合など、夫婦間でお金や物のやり取りはよくあることだと思います。

もっとも、夫婦間でも、財産を無償で譲渡するという行為は贈与に当たりますので、贈与税がかかる場合があります。

夫婦間のことだからと考えて、あまり意識せずにお金や物のやり取りを行うと、後日、贈与に該当するとの指摘がなされ、贈与税の課税がなされてしまうこともありますので、注意が必要です。

3 夫婦間ではどのような場合に贈与税がかかるのか

⑴ 贈与税の基礎控除を超えた場合

まず、贈与税にも110万円の基礎控除がありますので、その範囲内であれば、夫婦間の贈与であっても贈与税はかかりません。

具体的には、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産額が、110万円以内の場合には、贈与税はかからず申告も不要です。

この基礎控除を超えた場合、贈与税がかかります。

⑵ 高額な物品を譲渡した場合

国税庁によると、「扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」には、贈与税はかからないとされています。

「通常必要と認められるもの」とは何かという点が問題となりますが、日常生活に必要な生活費、学費、教材費や文具費といった教育費がこれにあたると解されています。

あまりに高額な物品を譲り渡す場合は、嗜好品として通常必要とは認められず、贈与と評価される可能性があるため、注意した方が良いでしょう。

4 居住用不動産にかかる夫婦間の贈与税

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円の他に、最高2000万円まで控除できるという特例が設けられています。

「居住用不動産」とは、専ら居住の用に供する土地若しくは土地の上に存する権利又は家屋で国内にあるものをいいます。

この特例を利用するための主な条件としては、以下のものがあります。

  1. ① 婚姻期間が20年以上であること
  2. ② 居住用不動産または居住用不動産を取得するための資金の贈与であること
  3. ③ 贈与の翌年の3月15日までに入居しており、その後も居住すること
  4. ④ 過去に同じ配偶者との間でこの特例を利用していないこと

また、この特例の適用を受けるためには、必ず贈与税の申告をする必要があります。

贈与税の申告をする際は、以下の書類を添付する必要があります。

  1. ① 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本
  2. ② 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
  3. ③ 居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの。

夫婦間で居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与を検討されている方は、申告を行うことにより、かなりの節税になる可能性があります。

利用を検討される際には、税理士に相談されると良いでしょう。

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